湿布・シップに騙されるな!!!


病院の湿布は本当は貼り薬ではない!!!

病院で処方されている湿布はほとんどが経皮吸収消炎鎮痛剤です。簡単にいうと皮膚から吸収される痛み止めの薬です。

病院の湿布の正体は?

成分は、頓服に使われるロキソニンやボルタレンなどと同じです。口から飲んでも皮膚から吸収されても副作用は同じようにおこります。副作用の存在を知らずに毎日気軽にたくさん貼っていると、強い痛み止めを何錠も飲んだのと同じコトになってしまい、胃潰瘍等の副作用がでます。

湿布で冷やす?

試しに熱い沸かし立ての麦茶の入ったヤカンに湿布を貼ってみてください。実際に麦茶が冷えるかどうかです… なにも効果なかったでしょ。

湿布に含まれるハッカ油(これがスーッと感じさせている)が冷たさを感じる神経を刺激するのです。実際に温度を下げているわけではありません。本格的な捻挫や骨折をしたのなら、氷水で冷やすべきです。

ナゼ問題にならないのか?

病院とお医者さんが危険性を認識していないからだと思います。実際に胃カメラをしていると、湿布が原因と思われる胃潰瘍や十二指腸の出血性びらんがいくつも見つかります。しかしながら、通常胃潰瘍などを見つけた場合、内科医はロキソニンやボルタレンなどの消炎鎮痛薬を服用しているかどうかを聞くことはあっても、湿布を使っているかどうかを聞くことはありません。したがって原因不明の胃潰瘍ということになります。腎機能障害等も同様です。

ナゼ危険なのか?

副作用の存在を知らずに毎日気軽にたくさん貼ってしまうからです。何枚も経皮吸収消炎鎮痛剤を使えば、強い痛み止めを何錠も飲んだのと同じコトになってしまいます。

じゃ湿布を使ってはいけないのか?

そんなことはありません。一度にたくさん貼るとか、ちょっとした肩こり程度に漫然と毎日貼るとか、健康のために貼るなどといった間違った使い方をしていると危険なのです。

『痛み止めの薬は毒だ!!』とか『歯を抜いてもらって麻酔が切れてきて痛くなってきても頓服の痛み止めを我慢すべきだ!!』などということが間違いであるのと同様、湿布を張ることそのものには問題ありません。際限なくたくさん貼ると危険なのです。

では何枚貼ると危険なのか?

経皮吸収消炎鎮痛剤を使った場合、その有効成分の血中濃度が公表されているのは、驚いたことにロキソニンテープだけです。だからロキソニンテープを基準にお話します。ロキソニンテープの大きい方を1日に2枚背中に貼って24時間ごとに張り替えると、1日目は血液中のロキソニンの濃度が徐々に上昇し2日目から一定となります。2日目以降は、だいたいロキソニン錠を1日1錠ぐらい飲んでいる勘定になります。ですから1日1枚ぐらいだと身体に影響はなく副作用ゼロと考えられます。しかしながら血液中のロキソニンの量は足し算となります。どこへ貼ってどこから吸収されても、全部混じり合って足し算になるわけです。ですから2枚を数日使用する程度だとほぼ問題ありませんが、連日貼っているとロキソニンを常用していることになります。さらに毎日4枚以上を1ヶ月貼り続けると、胃潰瘍ができても不思議はありません。

ナゼ危険なのか? パート2

二つの誤解があると危険な事態を引き起こします。大きな湿布を4枚以上貼っていると血液中の有効成分の濃度が上がり、全身投与していることになります。そして皮膚からも吸収されるので、湿布を貼っているところは“やたら効く!!!”といったことが起こります。さらにシップを純粋な外用薬だと誤解していると『患部を直接治してくれた』と錯覚してしまいます。こうなると湿布を“貼らなければいけない!”と思い始めます。これはキケンです。

最も危険な使用法とは?

リューマチや骨粗しょう症など、全身疾患の痛みに対して、根本治療をしないで湿布だけで対処していると、当然使用枚数が増えてキケンです。

最も賢い使い方とは?

リューマチなどの疾患による痛みでなければ、通常打撲や捻挫などの場合、痛い場所は1ヶ所です。これは大きい方の湿布1枚の守備範囲です。ですから単なる打撲や、骨折がなくて靱帯の深刻な断裂もないと病院で診断された足首の捻挫などは、1日に湿布1枚(=副作用はほぼゼロ)で対応できます。痛み止めを内服するより安全です。さらに湿布は実際に組織を冷やすわけではありませんが、組織に冷たいと錯覚させることで血流を落とし炎症を抑える作用が期待できます。ですからちょっとした外傷や軽い肉離れには強い味方です。